意外と気付かれない自傷行為をエスカレートする前に

自傷行為に気づいていますか?

自傷行為という言葉を聞いたことがありますか?

自傷行為とは、自分自身を傷つけてしまう行為です。例えば、自分の手や足を噛む・自分の髪を抜けてしまうほど引っ張る・自分の体の特定の部位を執拗に叩くetc...

一見、自傷行為とは関係ないと思われる行動も見過ごしてはいけない行動もあります。

特定の体の個所を出血するまで掻きむしっていませんか?血が出るほど爪を噛んだりささくれを剥がしていませんか?鼻血が出るほど鼻をほじってはいませんか?

これらの行為は自傷行為である可能性が高いです。

 

 

自傷行為の典型

自傷行為は、欲求不満のはけ口という攻撃行動が自分自身に向けられた結果として起こると考えられてきましたが最近、自分を刺激して安定を得る自己刺激行動という解釈もされるようになってきています。

自分の意に反する事が起こった場合、その事自体に腹を立てたり文句を言ったりするのが本来なら正しい行動ですが、それが回りに向かず自分の頭を何度も強く床にぶつけたり、血が滲むほど手を噛んだりというように、自分を攻撃するような行為として表れるのが自閉症児に多く見られる自傷行為の典型です。

 

また、自分の要求が通らない為に自傷行為へと発展するのではなく
自分の楽しみのためにやっていると考えられる自傷行為もあります。

これは自分を傷つける事で痛みという刺激を得ることが1人遊びとして成り立ってしまっているので、他の方向へ意識を向けさせ別の遊びへと発展させることが難しいので、長く続いてしまいます。

このような場合は、他のもっと興味を持つと思われる行動へ誘うことが大切ですが、そのためには1人遊びとして楽しみを見出してしまっている行動を打ち破ってあげなければいけません。

 

自傷行為を防止するには?

例えば、ささくれを血が出るまで剥がしているなら、ささくれに代わるもの(例えば、なかなか剥がすことができないシールなど保育現場にはたくさんありますよね?)を対象児に与え、どちらが早く剥がせるか、もしくはきれいにはがせるかを競うのも良いかもしれません。

ですが、この時に1つ気を付けなければいけないことがあります。

それは、代用品を子どもに与えっぱなしにしないという事。

代わりになる物を子どもに与えれば一時的には自傷行為はなくなるかもしれません。ですが、そのうち興味が薄れてまた自傷行為が始まります。

そうならない為に、1人遊びにはさせずにまずは大人がじっくりと関わり2人遊びへと遊びを広げてあげる。それこそが重要です。

遊びを広げてあげることで1人遊びよりも2人遊びの楽しさを体験し、そしてそこから複数人遊びの楽しさを覚えていくのです。

誰かと遊ぶ楽しい体験を重ねる事によって、1人で遊ぶ自傷行為は楽しいものではなくなってしまうでしょう。

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