統合教育・保育 インテグレーションとインクルージョンの違い

統合保育や統合教育で使われる「統合」

これを英語にしたのが integration<インテグレーション>です。

私の実感としては、10年前くらいに段々と浸透してきたように思います。

 

平成5年に障害者基本法制定され、その後、平成8年に障害者プラン~ノーマライゼーション7カ年戦略~というものが始まりました。

この頃から、福祉の世界にもカタカナ表記のものが増えてきました。

その中の1つにインテグレーションも入るでしょう。
そして、2009年4月に埼玉県東松山市での障害児の就学先を判定する就学支援委員会が廃止になったことも大きいと思います。障害があっても、その児童や保護者の意向により、健常児の就学先へ自由に選択できるという指針を発表しました。

インテグレーションという言葉や考え方は、幼稚園や小学校、中学校へと浸透していきました。
そして、最近ではinclusion<インクルージョン>という言葉に変わりつつあります。

包み込む・包括といった意味ですが、その意味の違いとは何なのでしょうか?

 

「統合」と「包括」の違い

そもそも統合教育が始める前、特別支援学校と健常児の学校は別々に教育がなされていました。

1979年に学校教育法で養護学校の設置が義務化され、その頃から訪問教育制度が始まり、

少しづつ2つの教育現場が近づきました。

 統合教育・保育 インテグレーションとインクルージョンの違い

そして、最近ではインテグレーションやインクルーシブ(インクルージョン)と言われるようになりました。

この2つの違いは、健常児と障害児とハッキリと区別した上で、できる限り同じ場所、同じ時間で活動や教育を行っていくというもの。小学校や中学校での特別支援学級もその1つの方法でしょう。

そして、インテグレートは障害のあるなしに関わらず、一人ひとりの教育的ニーズに沿った活動や教育を行っていくものです。小学校でよく見られる通級教室もインテグレートの考え方を取り入れたものと思います。

インテグレートの大切なところは、「障害のあるなしに関わらず」というもの。

よく「障害の連続性」という言葉も一緒に聞くことがあります。

これは昔のように「健常」と「障害」を黒と白のようにハッキリ分けるものではなく

広汎性発達障害などのように、障害も多種多様にみられ、色のグラデーションのように

どこからが黒で、どこまでが白で、ここが赤なのか、というように区別が難しい、切れ目がない状態をさして「連続性」と言われます。

それならば全ての色を包み込むようにし、その色に合った教育や活動を促すようにしようとする考えがインクルーシブになります。

 

【楽天ブックス】赤ちゃん~学童期 発達障害の子どもの心がわかる本 (実用No.1シリーズ)

 

 

 統合教育・保育 インテグレーションとインクルージョンの違い

未就学児に関しては

上記ではインテグレーションとインクルーシブの違いを書きました。

読んでいただくと感じると思いますが

あくまでも小学校や中学校のような就学児で考えるとわかりやすいのですが

私の経験や考えでは、保育園や幼稚園ではインテグレーションも

インクルーシブも変わりません。意味は同じです。

未就学児に関しては、ろう学校の幼稚部などの特別支援学校に通わない限り、保育園や幼稚園では勉強はありませんので、お絵かきや歌などの創作活動がメインになる現場では、必要に応じて健常児と障害児をハッキリと分けるという園を、私が知っている限りでは聞いたことがありません。

先天的に両腕がなかった男の子も、足に筆を持ち、みんなと一緒に絵を描き

難聴の女の子も、楽しそうにみんなと歌を歌い

ADHDの子も、帰る前には絵本の読み聞かせを聞きます

必要なのは、その子一人ひとりにあった見守りや支援なのです。

 

保護者の皆さんからも、統合教育への期待を強く感じます

ですので、いつもながら幼児教育の現場でも、障害に対する専門性が磨く必要があるなと

つくづく感じます。

 

現場で働くと、統合教育に違和感を覚えることもありますが

それはまた別の記事にて。

 

【楽天ブックス】赤ちゃん~学童期 発達障害の子どもの心がわかる本 (実用No.1シリーズ)

 

スポンサーリンク
おすすめの記事