
はっきりと見えない障がい
障がいが障がいに隠れていることがあります。
これまでに体験した中では、肢体不自由児の対応をした時のことでした。
肢体不自由のYくんは、車いすに乗っていました。
四肢の欠損による肢体不自由ではなく、脳内の運動機能を統括する部分に障がいがあり
上手く歩いたり、腕を使うことが苦手でした。
肢体不自由児には、よくあることですが動きや移動に制限があると、それが原因で様々な面で「経験不足」となり、精神的な発達が遅れていることがあります。
人との関わりや、体を動かすことでの体験が少ないので、その影響からの成長というのは、健常の子と比べ遅れが生じるのは当然かと思います。
しかし、その「遅れ」が経験不足によるものなのか、それとも広汎性発達障害も合併している可能性も否めません。
障がいがある方では、ほかの障がいも合併していることはあります。
医療機関でも、はっきりと結果をつかみにくい部分もありますので、疑いがあっても「もう少し大くなってから、改めて検査しましょう」と言われることがあります。
保育士や幼稚園教諭は、医師ではありません。医師が分からないといえば、分からないのです。しかし、経験上明らかに疑わしいと感じることはあります。
子どもたちと接する私たちができることは、しっかりと観察と記録をし、家族・医療機関や専門機関との連携を図ることです。
保育園や幼稚園は【保育】をする場所であって
【療育】をする場所ではありません
その子の成長や発達を見守り、どのような保育が適切なのかを検討し
二次障がいも防ぐために、障がいがあることによって誘発される依存性や意欲の低下を防ぎ、その子にあった課題を与え、クリアしたことの評価と賞賛。
それを繰り返すことが大切なのではと思います。