通級学級による指導の対象とは?特別支援学級との選択

投稿日:2015年4月7日 更新日:

通級学級と特別支援校の境界線で思うこと

通級学級による指導の対象が、最近曖昧になりすぎていると思います。

とくに市ではなく、町村の自治体に関しては通級学級や特別支援学級・特別支援学校のボーダーラインが曖昧になっているような気がします。

通級学級の必要性は充分にわかっているつもりですが、未だに少し違和感を感じます。

このサイトでは「障害児保育」についてお伝えしているので「保育」となると、通級学級は小学校・中学校といった「学校」なので、あまり関係ないように思えますが、卒園後のことを考えると、切っても切れない問題ですので多少は触れていきたいと思います。

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通級学校・特別支援学級・特別支援学校の違い

意外と3つの違いについては、曖昧だったり知られていないことがありますので、まずは通級学校特別支援学級特別支援学校の違いついて

 

通級学級とは

通級学級とは、小学校や中学校の通常の学級に籍をおいて、比較的軽度な障害を有する児童に対して、その障害にあった特別な指導を行うクラスです。

通常学級に籍をおく障がい児も、弱視・難聴・言語障害・情緒障害・肢体不自由及び病弱・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)など様々です。

最近では、特別支援学級との併用も行われている例も多く見られます。算数の授業の時は特別支援学級へ行き、道徳や生活の授業の時は、籍をおくクラスへ行く、もちろん給食もクラスのみんなと食べる、といった様子です。

 

いつから始まったのか?

この通級学級が制度化されたのは1993年のことです。20年以上も前からスタートしており、始まった当初(平成5年)は全国でも約12000人の生徒が通級学級を利用していました。

そして、平成18年には学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)も加わることとなり、年々生徒数も増え、平成25年に約77000人の生徒が利用しています。

 

特別支援学級とは

私が中学生の時は、青空学級と呼ばれていたクラスがありました。様々な障害がある児童が少人数で集められ、通常の学級とは少し離れた場所にありました。校内行事には一緒に活動するのですが、学習などは別々に行われていました。

特別支援学級とは、そのように通常学級の指導ではあまり効果が難しいので、少人数制のクラスで授業や指導を行うクラスです。

 

特別支援学校とは

特別支援学校は、養護学校や盲学校・ろう学校などの呼ばれ方もします。

学校教育法第72条にも明記されているとおり、幼稚園から高校および専攻科までの教育を行い、また自立に向けての指導を行うための学校です。

 

曖昧な基準と親の気持ち

通級学級・特別支援学級・特別支援学校のどれを選択するか、一番大切なのが親の気持ち(判断)です。

もちろん通級学級に通わせるかどうかの判断は、学校・教育委員会側にもあります。

校内委員会と教育委員会(専門家チーム)でも協議が行われ、通級学級・特別支援学級に通わせるか判断されます。

障がい児の数は年々増えおり、全国的に通級学級に通う児童数は20年の間で6倍も増加しています。

参考:文部科学省による「通級による指導を受けている児童生徒数

 

私も子どもを持つ親として、我が子を通常学級に通わせたい気持ちはわかります。

通常学級の方が、多くの健常の子どもたちの中で生活することができ、社会性が育まれ、より刺激もあり、子どもにも良い影響があるのではないか。子どもが成長すれば、遅かれ早かれ社会の中に入り、健常者が大多数を占める社会の中で生きていく。それなら、その環境に少しでも早く慣れさせたいと考える保護者は多いでしょう。

障がい児の親は、そのほとんどが健常者です。

通常の学級ではなく、特別支援学校や学級に通わけることのイメージがまずないでしょう。

しっかり我が子のために福祉や障がい児保育について勉強される保護者の方も多くいらっしゃいますが、ご自身の子供の頃の体験を、お子さんにも体験させたいという想いや

「うちの子は大丈夫。ほかの子と比較したら軽度なはず」という強い想いから通常の学級を希望される方も多くいます。

もし私ならと考えると、同じように通級を選択していると思います。

 

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基準の曖昧さ

上記しましたが、通級学級に通うお子さんは比較的軽度な障がいを有する児童です。

この障害のこの程度なら通級、それ以上なら特別支援学校というような基準は存在はしますが、「あの子は通級なのに、私の子は特別支援学校なのか」と教育委員会や校内委員会に強く訴える保護者も珍しくありません。

そうなると意外と通級学級に通えてしまう現状もあります。保護者の強い気持ちに応えたいという学校側の配慮であると思いますが、そうなると「あの子は通級なのに、私の子は特別支援学校なのか」の繰り返しになり、通級へ通えるラインというのが下がってしまいます。

すべての自治体がそうとはいいませんが、そんな現状があるのも確かです。

 

ですが、私は通級学級や特別支援学級よりも、特別支援学校が良い場合もあると考えます。特別支援学級でも、養護教諭の資格を持つ先生が指導はしてくれますが、学校内でも1~2人の先生がいるだけでしょう。一般の先生方は、幼稚園でも同じことが言えますが、先生というのは子どもを指導するプロではありますが、障がいについての知識はあまり持ってはいません。

(園内や校内で、障がいについての研修を開き、日々研鑽されるところもありますので、すべての先生が該当するわけではありません。あしからず)

しかし、特別支援学校であれば、ほぼすべての先生が養護教諭です。さらに少人数制で自立に向けての指導を行うわけですから、将来に向けてより実践的な教育を受けることもできます。

以前、脳性麻痺の子が学校や友達に恵まれ、小学校~大学まで通った例があります。しかし、大学卒業後には就職口がなく、家で引きこもりになり、それとは逆に特別支援学校に通い続けた同級生は、訓練を続け作業所で働くこともできるようになったという事例もあります。

通級学級・特別支援学級・特別支援学校をどちらが正解、どちらが不正解というわけではなく、その子の成長や状況に合わせて選ぶ、またはインテグレーションのように転校するという選択も大事だと思います。

 

療育の先にある自立

療育においての最終的なゴールは自立にあると思います。確かに脳性マヒのような方では全てにおいて自立は難しいかもしれません。しかし、できるだけ自分の力で社会の中で生きていく力を身に付けることが「療育」だと思います。

学業も大切です。小さいうちに子どもたちの中で、社会性を身につけることも大切です。

しかし、自立に向けた日常生活動作の訓練などは、早ければ早いほど身になります。大きくなってからでは、相当な努力が必要です。少しでも手や足が動かせるように、少しでもキレイな発語ができるように、少しでも落ち着いた行動ができるように、それらの療育・指導が求められます。

小学校では療育に向けた本格的な指導は、現在ところ限界があるのも事実です。周りの子の学業が進むにつれて、置いていかれてしまうような状況にもなるでしょう。

 

参考:文部科学省による「通級による指導を受けている児童生徒数

再度、文部科学省の統計を見ていただきたいのですが、小学校と中学校では生徒数が半分から10分の1まどの開きがあります。小学校の途中から中学校に上がるまでの間に、特別支援学校へ編入する子がそんなに多いということです。

周りの子についていけず小学校で疎外感を感じ、特別支援学校に編入しても、例えば、ろう学校では読話や手話での会話があり、そこでの子どもたち同士でのコミュニティもできているので、また仲間の輪に入れず、そこでも疎外感を感じることがあるでしょう。

決断は早めに求められます。そして、自立という将来を見据えた選択です。

通級学級でも特別支援学校でも、どちらでもメリット・デメリットはあるかと思います。お子さんにどちらかに通わせなければならない選択に迫られた時には、しっかりと考えていただきたいと思います。

 

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