広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)という言葉が最近多く使われてきました。
これは人との関わりなどの社会性で、何らかの発達障害があるものを指して使われています。
広汎性発達障害の特徴
広汎性発達障害は、知的障害がある場合もあるが、知的障害がない場合もある。
ない場合の広汎性発達障害を高機能広汎性発達障害と呼ばれています。
広汎性発達障害には、自閉症やアスペルガー症候群 トゥレット症候群
カナー症候群 小児期崩壊性障害 その他の広汎性障害と多岐にわたります。
国際的な基準であるICD(現在はICD-10)の中での広汎性発達障害の分類としては下記のものが含まれています。
総称としての「広汎性発達障害」ですので、高機能自閉症やアスペルガー症候
群のように、小児期には明確に診断することが難しい場合があるので、広汎性
発達障害として言われる場合もあるようです。
広汎性発達障害の一番の特徴は、生きていく上で人との接し方、大勢の仲間と
一緒に活動するなど、社会性がうまく成長できないことが挙げられます。
ほかにも苦手なこと
コミュニケーション
社会性にもつながりますが、発語の遅れがあったり、流暢に話しているように
感じるが意味はよくわかっていない。オウム返しが多い。
先を見通すなどの想像
意識が向かってしまうと、危険なことでも考えずに挑戦してしまう。
こだわり行動
一日の流れや一部で、自分だけの行動の順序やルールがある。
感覚が過敏・鈍感
特定の音や臭い、視覚的な刺激が苦手だったり、怖がることがある。
運動
手先が器用ではない。歩き方や動きに強張りがあったり、ぎこちなかったりする。
ここで挙げた特徴は、ほんの一部です。
例えば、自閉症などで特に見られる「こだわり行動」でも、特定のドアに近づ
いたら必ず左手でタッチする。靴を履く時に必ずつま先を2回タッチするなど
、 「こだわり行動」だけでも児童一人ひとりにあり、些細な行動過ぎてわか
らない場合もあります。
その行動を第3者が止めてしまうと、突然落ち着かなくなることもあります。
スペクトラム(連続体)という言葉の表現がありますが、広汎性発達障害は、
ほかの障害が混在している場合もあり、明確な線引が困難なため、大事なことは
広汎性発達障害との診断を受けたとしても、診断名にこだわらず「この子は、
どんな特徴があるんだろう?」と目の前にいる児童をよく観察することです。