保育士や介護福祉士を1本化する共通基礎資格(ラヒホイタヤ)は何故必要なのか

【保育士=保育園の先生】と印象をお持ちの方が多くいらっしゃると思います。

その印象は間違いではありません。保育士資格を取得して保育園へ就職される方が大半を占めていますからね。

しかし、保育士資格を有する人は『児童福祉施設』で働くことができるんです。

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保育士はどこへ向かおうとしているのか?

保育士関連で大切な法律といえば「児童福祉法」です。

児童福祉法第7条で示されている「児童福祉施設」の種類は以下のものです。

  • 助産施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 保育所
  • 児童厚生施設
  • 児童養護施設
  • 障害児入所施設
  • 児童発達支援センター
  • 情緒障害児短期治療施設
  • 児童自立支援施設及び児童家庭支援センター

10種類の施設がありますが保育所(保育園)は、その内の1つでしかありません。

その他にも意外と特別養護老人ホームや介護老人保健施設などへも就職される方も多くいます。

 

子どもではなく、老人ホームでも大丈夫なの?と思われるかもしれませんが実際に受け入れている老人ホームはいくつでもあります。

短大や専門学校では保育士資格と一緒に「社会福祉主事任用資格」を渡しているところもあり、その任用資格で半ば認めているのでしょう。

社記福祉主事とは、各都道府県の福祉事務所で働くことができる、社会福祉士とまではいきませんが社会福祉(ソーシャルワーク)に関してのプロです。

任用資格ですので、「社会福祉主事任用資格」だけでは資格としての効果を発揮しません。公務員資格とセットで初めて社記福祉主事を名乗ることでできます。

しかし、同等の知識を有していると介護施設側も考慮し、「社会福祉主事任用資格」を有している保育士を介護施設に就職させています。

 共通基礎資格(ラヒホイタヤ)とは

共通基礎資格とはフィンランドでは実施されているのですが、福祉的・対人援助のオールマイティーな人材を育成し、児童や高齢者介護など、その時その時の足りない人材を遊牧民のごとく動かすことで補充させていくことが可能になるもの。

保育・介護・ケアなど1つ1つの専門性を高めるよりも、万能型の人材を育成した方が人手不足と言うのは解消できる。

福祉の世界にも、なんとなく流行りのようなものがあります。

一時期は作業療法士(PT)が人気になったり、一時期は社会福祉士が人気になったりと、流行ることはいいのですが結局は飽和してしまうということがありました。

万能型の育成は、そういった事はないのでしょうが専門性が下がってしまうという部分も否めません。

では、フィンランドで行われている共通基礎資格は下記の10資格を1つにしています。

  • 准看護師
  • 精神障害看護助手
  • 歯科助手
  • 保育士
  • ペディケア士(爪を綺麗にする)
  • リハビリ助手
  • 知的障害福祉士
  • ホームヘルパー
  • 日中保育士

なかなか多岐にわたる資格の数々。短大(2年間)では1本化した資格を取得するのは難しいでしょうね。

日本ではまだまだ検討段階で、2025年を目標に動き出しているようです。

 

なぜ必要なのか?

この2025年には、何が待っているのかというと戦後最大のベビーブームの申し子たち、いわゆる『団塊世代』の方々が75歳となり、本格的に介護が必要になってきます。そうなると介護に必要な人材が概算で約33万人が足りないと言われています。

また、現在でも保育に携わる人材も約7万人が不足している状態。

それならば保育のための人材を育てて、少し人材不足が落ち着いたら、そのまま介護の方へ人材をシフトしようということなのでしょう。

 

さまよう資格

障害児保育という分野においては、「保育士」のみではなく精神障害看護助手やリハビリ助手などの資格があったほうが、より専門的に対応ができるはずです。

それにしても、私は保育士と幼稚園教諭と介護福祉士などを持っているのですが、すでに1本化するであろう資格を持っている人たちは、どうなってしまうのでしょうか?

新しい人達には共通基礎資格は良いとは思いますが、老兵のような我々にも配慮してほしいと思います。

 

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