子どもと子供の表記の違いについて
今回は、「子ども」と「子供」の文字表記について、
私なりにと言いますか、私が教えてもらったことを紹介します.
さて、子どもと子供の表記について、国語辞書で調べると
結局は、どちらも正しいという答えに行き着くと思います。
ですが、最近さまざまな施設や教育機関の名前には、
子どもと表記されている施設もあれば、
子供と表記されるものもあります。
日本語の文字としては、どちらも正しいのに
では、何が違うのでしょうか?
子供の供に考え方の違いが現れる
子どもと子供の違いは、『供』にあります。
保育士や幼稚園教諭を指導する教育機関、
大学、短大、専門学校など、
教育理念や指導方針、考え方もさまざまあると思いますが、
私の経験上、『子ども』として表記する先生は、
仏教系に基盤を置く教育機関で習った方が多いように感じます。
私も仏教系の学校でしてので、子供と子どもの表記では、
『子ども』を使うように指導されたものです。
『供』だけを辞書で調べると・・・
【 供 】 [音] キョウ ・ク ・グ
①さし出す。 「 供給 ・供出 ・供進 ・供託 ・供用 ・供覧 ・提供 」
②事情を述べる。 「 供述 ・口供 ・自供 」
③神仏にそなえる。 「 《 キョウ 》 供花 」 「 《 ク 》 供米(くまい) ・供物(くもつ) ・供養 」
④貴人のおともをする。 「 供奉(ぐぶ) 」
という意味だとわかります。
「子ども」を使用する人が多い、仏教系の教育機関ですから、
③神仏にそなえるという意味合いが強くなるというのは、容易に想像できると思います。
私が「子ども」を使うと指導を受けた時の教諭からの説明は、
昔、大きな災いや天災が起きた時には、
若い女性や子どもが人身御供(ひとみごくう)として、神様に供えられました。
その人身御供として供えることから、
子を供える=子供として表記されるようになった歴史もあるため、
現代においては、科学の発展もあり、子どもを供える必要はない、
犠牲にするものでもなく、何よりも優先して大事にする存在だから。
という意味を込めて、子供には『供』は使わずに、
『子ども』と表記するということでした。
最近の学生さんからは、
ただただ「子どもの表記の方がカワイイから」という声を聞きます。
そういう理由で、「子ども」と表記されるのも良いでしょう。
ですが、そこには何よりも優先して大事にしなくてはいけないという
想いも込めてもらうと、なお良いと私は思います。