「肢体不自由」といっても、その内容は多岐に渡ります。
また、日本国内においては障害者手帳を交付されている障害の中で、約50%が肢体不自由です。
一番多い理由は、ほかの障害と比べ、後天的(成長するにつれて)に事故や病気でなるということが多いからです。
しかし、保育園や幼稚園に入園される児童においては、先天的(生まれてすぐに・生まれつき)に肢体不自由があることが多い。
肢体不自由児は、日常動作への支援が必要かと思いがちですが、私の中では一番、声掛けや心理面でのフォローが一番必要な障がいかと思っています。
肢体不自由とは
肢体とは、上肢(腕や手)・下肢(足)・体幹(胴体)を指します。
それら肢体に何らかの障害がある場合を肢体不自由といいます。
肢体不自由の原因として、大きく分けて4つあります。
- 脳(脳性マヒなど)
- 脊髄・末梢神経(二分脊椎など)
- 筋肉(筋ジストロフィー)
- 骨(形成不全など)
肢体不自由では、その原因が多くあります。詳細については、追加記事にて紹介します。
肢体不自由児と健常児との間で
保育園で上肢に欠損がある男の子のS君がいました。その子はとても努力家で、お母さんもしっかりとした方で、肢体不自由ということを認められ、何でも一人でできるようにと厳しく、時には優しく育てられていました。
S君は明るい性格で、友達とも仲良くなっていました。出会って最初の頃、バックを持ったり、靴箱から靴を出そうとする時など、何気に手伝おうとすると「先生、ぼくできるよ」と満面の笑みで、手伝うことを断ります
本当にしっかりとしたS君に、こちらもほかの子どもたちと変りなく接していました。
周りの子どもたちも普段は、S君の腕のことには触れません。しかし、子どもたち同士でケンカになると、「腕がないのに」「ハサミも上手に使えない」など、S君の障がいについて集中砲火です。
手伝うことで、S君は足でハサミを使えます。それでも上手に使えないこと、ほかの子どもたちが簡単に出来ることを、自分は出来ないと悔しい思いをしていることを知っていました。
子どもたちは良い意味でも悪い意味でも正直です。
走る、雲梯で遊ぶ、着替える、折り紙、工作、配膳をするなど
肢体不自由児は、特に保育園・幼稚園での生活の中で出来ることと、出来ないことが顕著に現れます。
だからこそ、傷つく場面も多くあります。
私の経験上、肢体不自由児は日常動作の支援よりも、その子の心への配慮が必要と考えています。